• たかが石・・・されど石・・・

こんにちは

木村石材の木村 希です。
石塔他が入荷いたしました。

前回のY-1に引き続き今回は
インド産の綺麗な緑色石種の代表格である
M1-Hという石になります。

梱包をバラしながら寸法等を検品していきます。

石塔の台石の芝台に下ごしらえをします。
2枚合わせなので開いてしまうのを防止する為、
かすがいを取り付けるための下ごしらえをします。

Y-1程ではないですが、やはりそこそこ硬いですね。

石塔を寸法及び向き等を考慮しながら
仮組を行います。

お墓は360度周りがないポツンとした状態で
建てることって少ないと思います。
石は天然資源ですので、どうしても石目にムラが出ることがあります。
微妙なものから結構、はっきり分かるものまで!
型に入れて作る工業製品ではないので、これは当たり前の事なんです。
たまに産地の加工屋さんや、仕入れ先から聞くのですが
ほんの少しの玉やムラにとんでもなくクレームをつける
石屋さんがいるとの事。
確かに思いっきり縞模様がぐるっと回ってしまっていたら
交換してもらいますが
産地の加工屋さんや問屋さんだって
そんな状態では普通は納品はしないはずです。多分・・・

(近年は安さだけの商社もどきも多数ありますので・・)

ただ、これって施工する石屋の技量で
カバーできる場合が意外とあるわけです。
特に中台と呼ばれる石塔の上から3段目の
一番大きな部材です。
この部材って大体が正面に向く部分には前に
水鉢や花立が置かれるわけです。
下は今回の水鉢です。

要するに見えなくなってしまう部分になるわけです。
また、後ろが塀にピッタリくっ付いて見えなくなる等・・・

要は現場によって見やすい部分と、見にくい部分があるものなんです。
まぁ許容範囲にもよるのですが、対応する方法は
多少なりにあるのですが・・・出来ない石屋が増えているんですね。

以前、東京の問屋さんから聞いた話ですが
中台の1面の中央下に小さな玉が出てしまったそうです。
その石屋さんは4回も石を交換させたそうです。
先程の話じゃないですけど水鉢で完全に隠れる場所なんです。
それも石の模様及び、色合わせが非常に困難な
輝石安山岩である神奈川県産の本小松という石だったそうです。

※下の写真は当社で建立した本小松の墓誌です。

結果、納期が迫ってしまい4回目で落ち着いたそうですが
問屋さんの社長によると
石目、模様は最初の石が一番合っていたそうです。
結局、その石材店は一部の玉に目を奪われ
全体的なバランスは崩してしまったわけです。
案の定、施主のご親戚からその石材店は
その部分を指摘されたそうです。
ある意味、素人目に分かるレベルじゃ
結構な違いだと思いますけどね。

話が脱線しましたがその辺りも加味しながら
仮組を行っています。

さぁ字彫りの準備だ!
せっかく組んだけど字彫りの部材だけ
積み込んで帰ります!