こんにちは。
木村石材の木村 希です。
先日、ちょっと見事なものを見つけました。
場所は墨田区です。
墓地からはすぐそばにスカイツリーが!
前日の雨から見事な快晴でした。
実は親戚の納骨のお手伝いでした。
そこのお寺さんは室町時代の武将である
太田道灌が開いたお寺でした。
境内には太田道灌を彫った
仙台石(稲井石)の記念碑があります。
この石はよくお寺や神社などで
記念碑等に使われています。
非常に縦方向の石目がきつく
加工には結構手こずる石です。
ちょっと角度が悪く解りづらいのですが
この仙台石に立体的に太田道灌が彫ってあるんです。
これだけの大きさの石でこの厚みまで削る作業は・・・結構すごいことだと思います。
そして墓地の中にはこれまた凝ったお墓が。
まずはこのお墓の竿石部分です。
分かりますでしょうか?
お墓に巻物をだら〜んと下ろしたように石を加工してあります。
石種は神奈川県産本小松石ですね。
建立年月日から見ると機械加工ではなく
完全に手加工時代のものでした。
現代で機械で加工するにしても
結構、大変な作業になると思います。
そしてお次は!こちらも本小松石です。
日蓮宗のお墓によくある竿石上部に彫る「妙法」という文字ですが
これが浮き出しになっています。
要するに「妙法」の部分が元々の面で
そこから「妙法」の厚み分削っているわけです。
よく家紋の浮き出しはあるのですが
この「妙法」という文字の浮き出しはなかなか見ない加工です。
う〜ん 素晴らしい!
そして続いては太田道灌のお墓の前にある
香炉というか経台というんでしょか?
そこの加工部分です。
素晴らしい小叩き仕上げです。
非常に綺麗です。
普段は法要が終わるまで待っている時に
意外と暇を持て余してしまう時が多いのですが
今回は本当にいいものを見れました。
江戸城造築事に全国から腕利の石工が集められて
そのまま江戸に残ったと言われてますから
東京の凄さを痛感しました。
やはり江戸は素晴らしい仕事がまだまだ残っていますね。