新規墓所工事の基礎工事を始めました。
今回は、外柵、納骨堂、石塔、墓誌の新規工事となります。
まずは既存のお墓の撤去から行います。
中心に建っている仙台石の石碑ですが
なぜか台石は神社等で使われる手水鉢でした。
今回は全て撤去となりますので解体します。
お骨を掘り出すのに地面から50〜60㎝近く掘り返していますので
まずは土の状態で入念に80㎏のタンピングランマーにて転圧を行い
その後、ぐり石を入れて更に転圧をかけます。
その後に砕石を入れて更に転圧をかけます。
中央部は納骨堂底になるのでお骨を土に返すことができるように
土の状態のままです。
その後、仮枠をはり配筋します。
鉄筋はD-13(13㎜径)を使用します。
鉄筋の下にはスペーサーブロックを使って鉄筋を浮かします。
これは「被り圧」といって生コンにしっかりと鉄筋を包ませる為です。
今回の生コンの骨材(いわゆる砂利)には20-05という
20㎜から5㎜の砂利が使用されますので
打設幅の狭い場合でも最低20㎜以上の隙間が無いと
鉄筋を包むことはできないわけです。
そして生コンにて基礎を打設します。
レベルで規定高さにあわせてならした後に
水が引けてから金ゴテにてならしてから養生をします。
これはコンクリートの急激な乾燥を防ぐ為です。
実は自分が埼玉県石材業協会青年部会長時に
コンクリートに関する講演会を行った時に
講師のコンクリート技士の先生から
「コンクリート本来の強度を出す為には打設後の養生が大事」
とのお話しを伺っていたからです。
コンクリートは打設後、熱を持ちながらじわじわと硬化していきます。
どちらかというと蒸らしながらと言うのが分かりやすいと思います。
その為、コンクリート製品の工場などではスチームなどを使っていますね。
雨を避ける為ではなくて、毛布とブルーシートによる養生で
内部を蒸らしながらゆっくりと硬化をさせる為の養生です。
よってシートなどの養生が出来ない場合は
表面の水分が引けてから散水をすることがいいようです。
以上のような、転圧、配筋の被り圧、養生等を怠ると
強度不足を引き起こしたり、被り圧をとらないで地面に直接鉄筋が触れていたりすると
そこから鉄筋が錆びて「ポップアウト」と呼ばれる鉄筋の爆裂現象を引き起こし
クラック等によるいわゆる「弱い基礎」になってしまいます。
お墓はこの基礎の上に外柵や石塔などの石が乗ってくるわけですから
数トンの重量がかかるものです。
このように見えなくなってしまう部分が大事だと思っています。