• たかが石・・・されど石・・・

こんにちは。
木村石材の木村 希です。
GWも後半戦に突入し天気も
夏のような天気が続いていますね。
連休に入る直前に
進行中の現場の石塔他が入荷しました。

梱包をバラしながら検品し
下ごしらえを施します。

外柵部材の中でも高さがあり重心が上にくる
塔婆立ての柱に補強用のピンを入れる穴を加工します。

ステンレス補強用金具を留める
アンカーの口穴も加工します。

下端もノミで荒らします。

石塔の台石となる芝台は2枚合わせになるので
開いてしまうのを防ぐために仮組をしながら
カスガイを取り付ける加工をします。

そして石塔を仮組します。

今回は高級型のインド産 Y-1です。
非常に艶持ちが良く硬度が高い石です。
裏を返せば加工するのは非常に大変です。
正直、カスガイの加工をしている時も
ノミを入れると鉄を叩いているような
甲高い音が響きます。

高級型なので両脇の花立と中央の水鉢からなる
いわゆる3点セットと呼ばれる構造になるのですが
近年、この3点セットでの破損事例が非常に多くなっています。
というのも、この3点セットの場合は下部に隙間ができるので
そこに汚れが溜まりやすくなります。
お墓掃除の時にどうしても気になる部分ではあります。
そして両脇の花立は一般の方でも動かせる
非常に微妙な重さ」が問題なのです。

掃除の時にはどうしても石の表面はがかかっていますよね?
掃除をして元の位置に戻すわけですが
持ち上げて元の位置に戻すなら問題ないのですが
この非常に微妙な重さゆえに押してしまうわけです。
石の表面にがある状態では表面張力が働いて
軽く「すぅ〜」っと動いてしまうわけです。
その時に、水鉢や石塔本体の中台の角に当ててしまい
破損するケースが非常に増えています。

綺麗にしたいという行為が災いしてしまうのです。

なのでここ数年はいわゆる「切り出し型」と呼ばれる
1つ石の型をお勧めしています。


この場合なら隙間もできないので汚れませんし
まず重くて一般の方では動きません。

石塔、墓誌ともに問題なかったので
字彫りを行う部材を工場へ持ち帰るために積み込みます。

下ごしらえが終わりました。