• たかが石・・・されど石・・・

こんにちは。

木村石材の木村 希です。

磐梯御影の石塔が入荷しました。

みちのく銘石の磐梯御影が宮城県より入荷しました。

磐梯御影はみちのく銘石のエース級の石種です。

5月に丁場、工場も見学に行ってきましたが

その時の様子はこちらから!

磐梯御影

さすが国内加工というべきか、非常に綺麗な研磨面でした。

 

梱包をバラして仮組みします。

石という物は全面が全て同じ石目ではありませんので

いくら国内加工といえども原石の段階でチェックしていたとしても

綺麗な面と、玉が出やすい面がありますので

あとは、施工する側の器量になるかと思っています。

 

最近では、少しでも黒玉があるとクレームになったりとかという話を

山の人や加工屋さんから聞くのですが

話を聞くとそんなに酷い状態ではなく

施工時に向きなどで隠せると言ったら

語弊があるかも知れませんが

目立たない向きに施工するなどすれば対応出来るはずなんです。

まぁ4面に出てしまっていたら逃げようがありませんが・・・

人工物ではない「石」に対してそれをすべてクリア出来るはずはないと思います。

「いくらかかってもいいから!」というなら山や加工屋さんも努力はしてくれるとは

思いますが、相手は自然界にある「石」なわけですから。

ある老舗の問屋さんも言ってましたが

「施工する小売屋さんのレベルが下がってきているのかね?

昔はその辺りも技術の一つだったような気がするんだけど・・・」

話を聞くと大概、現場の据え付けは無論、加工の経験もない

スーツ着て、革靴履いている「石屋と称する人達」のようです。

実際に産地に行って見てみても

国内の山石屋さんや加工屋さんは「悪い」ものを出荷しようとは

決して思ってないと思います。

ただ、原石の状態によってはどうしても避けきれない部分があって

昔なら許容範囲だと思った部分にも

クレームが入ってしまうというのが、今の石材業界の現状なのかも知れません。

加工の精度とかのクレームならまだしも、石の素材の一部の部分を指摘されても

それは無理難題のような気がしています。

 

一度仮組をして、寸法等もチェックしながら

どの向きが良いかを見ながら仮組をします。

今回は標準型なのですが、上台と中台(竿石の下の二段)に

水垂れ加工を施してあります。

どうしても平面部分には水が溜まり、水垢が付きやすくなるので

お客様にも説明してこの加工を施しました。

 

最近、他業者で中国からの梱包のまま持ってきて

現場で梱包をバラして

施工している業者さんを見るのですが

検品もしないでいきなり現場に持ち込んで

何かあったらどうするのかと思ってしまいます。

まぁ、利益追求型の業者さんでは

梱包バラして検品まではしないのでしょうか?

僕には到底怖くてそんなことは出来ません。

いくら梱包されているとは言え、

輸送中に破損や、寸法ミスが合った場合どうしているのか?

と思ってしまいます。

なので合口加工などの下ごしらえをしながら

各部材をチェックするようにしています。

直しがが効くようなものなら、自分で直してしまいますので。

 

ただ、最近はその合口の荒らしまで中国や仕入れ先にやらせて

ただ組むだけといった同業者が多いようですが・・・

 

今回は、石塔だけですので

下ごしらえは芝台の下場合口荒らしと

アンカー用の口穴開けとなります。

まずは寸法を確認します。

問題無いようです。

次に切り込みを入れる位置に墨出しをして

ドライカッターにて切り込みを入れます。

この場合も深すぎると、奥までモルタルが充填されないと

エフロレッセンスと言われる白華現象の元凶になりますので

適度な深さが必要になります。

昔、一度だけ中国加工で下場合口を取らせたことがあったのですが

無駄に切り込みが深すぎて困った経験がありますので

それ以来、合口加工は全て自分で行っています。

切り込みを入れた所をノミにて荒らしていきます。

 

今回は現場の状態が狭い場所なので

芝台は四つ合わせという四つの石を組み合わせる型になるので

各部材を固定する為に、アンカー用の口穴をあけます。

この後は現場への施工、石塔への字彫り作業と続きます。