一般的な外柵を元にお話しします。
1段目を『根石』(腰石)、2段目を『羽目』と言います。
中には1段目の根石の上に『ならし』と呼ばれる部材が入って、3段目の『羽目』がのる場合もあります。
近年では塔婆立てや墓誌がこの外柵に組み込まれる物も多く見受けられます。
昭和の時代には現在のように石材加工機械が進んでいなかったのと
切削、研磨などが非常に高価になってしまうこともあって
手加工で製作できる、大谷石の外柵が数多く作られました。
しかし、乾燥することにより経年劣化が起きてしまう大谷石の外柵は、どうしても風化し損壊してしまいます。
また、昔は階段が付く型が多かったのですが高齢化や階段を上る危険性もあり
近年ではバリアフリーを意識したフラットな入口が多くなってきています。
改修例をご紹介します。
外柵の入り口の小柱や塔婆立て他に破損が見られます。
また、通路から直接拝む型なので
前回りが高くなっています。
入口をフロアーにして前を低くし窮屈感のあった墓所を開放的にしました。
花立もねじ式からボーリング加工をして落とし込み型に改造してあります。
外柵は国内加工の福島県産はなつかみかげを使用しています。
また、コンクリート製だった香炉も石塔と同石種の浮金石にしました。
入口回りの大谷石の風化が激しく左右の羽目も動いてしまっています。
また、階段部分の幅が狭いのでお参り時にはちょっと窮屈です。
茨城県産 稲田石で作製しました。
奥行きがありましたので間口も広くしてお墓の前までフラットなフロアーにします。
研磨面のままだと滑る可能性もあるのでサンドブラストにて滑り止めをかけてあります。
また既存の石塔は磨き直しを施して、芝台と香炉は新規に交換しました。
こちらは外柵は軽量ブロックで作られていたのですが
最大の難点が納骨堂がありませんでした。
また石塔は故人の戒名が彫られている物でしたのでこちらを1つにまとめることにしました。
石塔、墓誌はインド産M1-Hで外柵は中国産G623です。
洋型墓石でしたので外柵はシンプルに低くまとめてみました。
石塔には「ありがとう」と桜の花が彫ってあります。
このようにご予算、ご要望に合わせた改修ができますので
お気軽にご相談下さい。