こんにちは。
木村石材の木村 希です。
先日、屋内墓地の引き渡しが
完了いたしました。
高校を出て石屋になってから
初めての屋内墓地という屋根付き墓地にて
お墓を施工させて頂きました。
先日、納骨を兼ねた引き渡しが完了しました。
と言うことで 今回ちょっと長いです。(すいません)
納品後の流れを追っていきます。
今回はみちのく銘石である
宮城県産 磐梯御影になります。
納品時の様子は↓からどうぞ。
洋型墓石が入荷しました
字彫りを行う竿石と墓誌を
工場に搬入します。
まずはゴムシートを貼って
彫る部分を切り抜いていきます。
ゴムハンマーでしっかり圧着させて
保護スプレーをかけてしっかり乾燥させます。
その後、字彫り小屋に搬入します。
ここからサンドブラストで彫っていきます。
今回は正面は「心」の一文字なんですが
彫ってみてよく分かったのですが
意外とこの一文字で「心」って難しいです。
深さのバランスというか・・う〜ん
結構。時間かけて慎重に彫りました。
ニューマと呼ばれる空圧式ノミで
文字底にサライ作業をかけます。
字彫りも完了しましたので
現場への施工となります。
場所はさいたま市にあります
市営霊園思い出の里であります。
この建物の中が屋内墓地になります。
機械は一切使えないので人力により施工となります。
(と言っても機械を使うほどでは無いですが・・・)
この建物は3階建てになっていまして
上の階へは台車に乗せてエレベータで搬入します。
(お墓をエレベータに乗せたのも石屋になって初めてです)
現場はこのように納骨堂が作られた上に施工となります。
まずは竿石がのる「芝台」部分を施工します。
市営霊園の規約により竿石、墓誌、兼用香炉は
台石に転倒防止ピンを付けて刺さなければなりません。
無事に施工完了となりました。
完成検査を受けクリアしました。
(通るのが当たり前なんですが・・・)
そして引き渡し納骨となります。
兼用香炉を外して墓誌をつけたまま
吸盤で少し浮かしながら拝石を動かします。
その下にあるコンクリート製のフタ石を外します。
中はステンレス製の棚板が2枚合わせで2段あるのですが
屋内墓地とはいえ壁がありませんので
隙間から土ほこりや落ち葉やらが入っていますので
棚板を全て外して出して掃除します。
ご覧の通り真っ黒です。
掃除の終わった棚板を戻します。
この後、法要が終わり納骨をさせていただいて
引き渡しが完了となりました。
この正面の「心」の文字の位置も
お施主様とメールや実物大のレイアウトで
細かく設定しましたが、最後にお施主様から
「少しだけ文字を上に」との指示をいただきました。
引き渡し後のお花が入った状態で見ると
これはズバリ的中しました。
この部分に関しては大変良い勉強をさせて頂きました。
ありがとうございます。
今回は色々と初めての経験をさせて頂きました。
宮城県産の磐梯御影を選んで
ご用命いただき喜んでいただけた
お施主様には非常に感謝であります。
職人というのは経験値の積み重ねで
様々な技術、方法等を勉強し
進歩していくものだと思っています。
どれだけ様々な現場や加工方法を
実際に経験しているかということは
お墓や石についてご相談を受けた時の
返答時に引き出しの数が増えると思っています。
言い方は良く無いかもしれませんが
石を全くいじらないスーツを着た営業マンが
石の良し悪しを語っているのを聞くと
非常に腹が立ちますが・・。
ただ、そのお客様が気の毒には思うのですが・・
自分の想いとしては
出来れば仕事で使う石は全て
丁場(採石している山)から見て
自分で加工(切削、研磨等)をして
自分で字を彫り
自分で施工することが理想なのですが
現実的に無理な部分もありますので
極力出来ることはと思っています。
ゲームのドラクエではないですが
今回はいつもと違う案件でしたので
経験値が上がることによりレベルアップ!
できたのでは無いかと自負しております。