こんにちは。
木村石材の木村 希です。
お盆も終わりましたが猛暑は続いていますね。
お盆中は何かと細かいご依頼が多いので
待機状態でしたのでちょっとサンプル作ってみました。
石の加工だと今はほとんどが「本磨き仕上げ」と呼ばれる
ピッカピカに研磨されたものが普通ですが
技能検定や技能GPでもお馴染みの加工方法が結構あります。
ほとんどが手加工による仕上げ方法なのですが
同じ石でも結構、石の表情が変わる物なんです。
ということで、今回は日本の黒御影(?)では最高級に位置する
福島県産の浮金石で作って見ました。
とりあえず研磨機で磨ける大きさの状態で「本磨き仕上げ」の面を作ります。
ここから墨出ししてコヤスケで大きさを合わせて作って行きます。
本磨き面を正面にして右側面は「ノミ切り仕上げ」です。
コヤスケで払った「割り肌」状態から高い部分をノミにて下げていきます。
続いて背面は「ビシャン仕上げ」です。
「ノミ切り仕上げ」のあと【ビシャン】と呼ばれるピラミッド型のトゲトゲ(?)が付いた道具で
平面にしていきます。
そして左側面は「小叩き仕上げ」をかけます。
「ビシャン仕上げ」をかけた後に「両刃」と呼ばれる道具で
細かい横筋模様を付けてさらに平面に近づけていきます。
最後に天場をコヤスケで払った「割り肌仕上げ」を作ります。
こんな感じで出来上がりました。
この四角いブロックで
「割り肌」「ノミ切り」「ビシャン仕上げ」「小叩き仕上げ」「本磨き仕上げ」の
5つの仕上げ方法が見れます。
昔は機械加工では無い時代にはこの行程で平面を作って行き
小叩き仕上げの後に砥石等で手磨きをかけて石を研磨していました。
当然、自分はこの時代のことは知りませんが
昔の石工の凄さを、今回このサンプルを作りながら痛感しましました。
特に「小叩き仕上げ」の両刃はほぼ使った事が無かったので・・
というのも我が埼玉県の技能検定では中硬石である「白河石」を使うので
「小叩き仕上げ」の時は「叩き」と言われる道具を使います。
ただ、ここ10年近く技能GPの応援に必ず行って出場選手達の姿を見ていましたので
なんとなく解ってはいたのですが。
手加工の良さもこれで少しは伝えられるかな?って思っています。