こんにちは。
木村石材の木村 希です。
台風が近づいてきて秋雨前線を刺激しての雨が
シトシトと続いていますね。
戒名の追加彫りにも行けないので
先日、ご依頼頂いた家紋プレートを作りました。
ところで、みなさんは自分の家の家紋ってご存じでしょうか?
意外と知らない方多いと思います。
お墓をご依頼頂いた時に、家紋を伺うと
「こんな感じ」と手書きで絵を描く方など様々です。
現在では家紋はお墓や仏壇。
あとは袴や着物ぐらいにしか見受けられる事がないですよね。
家紋は今から約900年近く前の平安時代後期に
貴族が所持品や衣服、車(牛車)などに付けたのが始まりと言われています。
鎌倉時代になると敵味方を区別する為に旗などに付けたそうです。
この時代は封建制度が確立されつつあり、土地支配と結びついて
名字が地名と合致する傾向があって、新しい名字に対応する家紋を必要としました。
よってこの時代の武士は、色々の家紋を作って自家を宣明し領主の証しとなったのです。
しかし江戸時代になると封土は限定され、武士に与える土地はなくなり
名字と地名は直接結びつかなくなります。
しかし、血筋や祖先を同じくするという意味で家を尊ぶ習慣は続き
同系の家紋の派生型などが次々増加していきました。
家紋の本質は「家の印」であり祖先から伝わった家紋こそ
唯一祖先を示す証しになるようです。
さて、作製の様子です。まずはゴム切りをします。
今回ご依頼頂いた家紋が初めてみる家紋でした。
お話しを伺ったところ、ご出身が鹿児島県の種子島とのことでした。
先程の話ではないですけど、やはり地域ごとの特色ではないかと思います。
この後サンドブラストにて彫っていきます。
ゴムシートを剥がして出来上がりました。
以前にご紹介した「いのちの積み木」ではないですけど
現在、自分が生きているにはたくさんの
ご先祖様がいたから存在しているということは紛れもない事実です。
家制度が崩壊しつつある現代で
このようにどこかでこの「家紋」を残すというのも
なんかいいもんだなぁと思ってしまった一日でした。