無縫塔を含めたお寺様の墓地の改修工事が完了致しました。
前回の字彫りを行った新潟県産 千草石です。
墓地の場所が崖の中腹にあるため、長い工期となりました。
今回は、既存歴代住職の無縫塔23基と
寺縁墓7基及び歴代住職碑、寺縁墓誌の移設と
既存土留めの変更拡張工事でした。
まずは、材料や現場用のクレーンを現場へ下ろさなければならないのですが
下の階段からだと檀家さんのお墓参りの通路を塞ぐ形になってしまうので
水屋裏への階段を使わせて頂くことにしました。
こちらは境内掃除の方しか使わない通路なのでご迷惑をかけなくて済みます。
やはり墓地はあくまでも檀家さんメインに考えなければいけないので
楽だからだと石屋中心の考え方で工事を進めるわけにはいきません。
ここに搬入のための通路作りからです。
階段が大谷石の為、このままキャタピラ等で走ってしまっては
階段の石が粉々になってしまいますので
そこも考慮して道を作ります。
意外と見た目より勾配があります。
単管等を使って骨組みを作ります。
やっと搬入路が完成です。
以前、入口周りを工事した時は崖上に木があったので
そこにウインチを付けて行ったのですが、その木が枯れて無くなってしまったので
今回はもう一台の現場用カニクレーンをウインチ代わりに崖上に設置して
材料、及び機械等を下ろしました。
寺縁墓や歴代無縫塔の移設が終わり本体となる無縫塔の建て上げとなります。
搬入の関係から2枚合わせとなった芝台なので
開いてしまわないようにステンレス製4寸かすがいを取り付けます。
続いて本体の施工に移ります。
ここでは地震ゲルパッド【泰震】を使って施工します。
また上台、蓮華台の接合部には
30㎜径のステンレス芯棒を入れます。
そして竿石を施工します。
竿石下場には12㎜ステンレス芯棒を入れます。
この後、土留め部分に稲田石の石張りをして
兼用香炉等を設置して
化粧砂利を敷いて工事完了となりました。
既存のコンクリートの土留めに石張りを施したので墓地全体も明るくなり
拡張した分、全体にゆとりが生まれて
周囲の既存無縫塔他ともこの千草石の無縫塔も違和感もなく
とても落ち着いた感じで仕上がりました。
やはり国産の石は何処か落ち着く感じがしました。