• たかが石・・・されど石・・・

栃木県と福島県の県境に近い所で
採れる安山岩。それがこの白河石です。

この石は手加工で仕上げるのが多い石種なので
昔は、結構使われたのですが、最近は非常に少なくなりましたね。
僕らは技能検定試験の検体材料なので馴染みがあるのですが
この石をいじったことの無い石屋さんは非常に多いのではないでしょうか。

このように切り出された跡が残る丁場です。
現在は機械で切り出していますが
いわゆる花崗岩の丁場とは全く違います。
このようなレールを引いた上にチェンソーのような回転刃を付けた機械で切り出します。

 

この機械で切った溝がこちら

ここに3枚の矢で構成される「せり矢」と呼ばれるものを数カ所に入れて
真ん中の1枚を叩いて石を岩盤から引きはがしていきます。

この丁場のそり立った壁が時代を感じさせます。
今でも、都内では使う場合もあるようですが
埼玉では数少なくなっていますね。

幸いにも、ここ数年は補修含めて、年に1回はこの白河石や芦野石を
いじる機会に恵まれていますが。

 

この白河石で2年前にお墓の外構を施工させて頂きました。
小学校時代の恩師の御実家の墓地だったのですが
非常に古いお墓が多く、崖の中腹という立地のため、
既存の外構は軽量ブロックでした。
あまり光っている石だと違和感を感じるとのことで
この白河石で施工致しました。

  

  

約80本強の部材を手加工したもので、結構大変でしたが
出来上がった時は非常に嬉しかったのも覚えています。

石は適材適所の使い方があると思います。