• たかが石・・・されど石・・・

お墓の改造

少子高齢化が進んだ現代ではお墓の維持管理も大変になってきています。
継承者が変わって家名のままのお墓では都合が悪いケースも出てきます。
お墓を建て替えるのも一案ですが、費用の面などもありますので
既存の竿石を改造して使うという方法もあります。

ただ、この場合は正面の文字の深さ分だけは奥行きが無くなりますので御了承下さい。
どうしても奥行きが少なくなるのはイヤだという場合には
額縁取りにして文字深さ分だけ下げるという方法もあります。

ではご紹介します。

ケース1

東京の浅草のお寺にあるお墓とお骨を改葬するという案件でした。
しかし、竿石には奥様のご実家の家名が彫られていましたので
そのままでは使えないということで正面を改造しました。

浅草から解体されてきたお墓を仮組してみます。
まずは竿石正面の家名部分を切削します。

次にその切削した部分を再研磨します。

切った事で竿石上部のかまぼこ面がおかしくなりましたので
修正して取り直します。

上台に彫ってある家紋も磨き下ろします。
その後字彫りに移ります。
3家分の仏様のお墓となりますので家名は入れず
曹洞宗のご本尊を表す「南無釈迦牟尼佛」と字彫りを行います。

他の部材も汚れを落としましたので
既存のお墓が新しいお墓として生まれ変わりました。

 

ケース2

こちらは故人の名前が彫られたお墓でした。
このままでは家墓として使えないので正面を改造します。

 

まずは竿石正面を切削します。

 

次に再研磨に移ります。

 

 

竿石上部のかまぼこ面を取り直します。

 

 

そして字彫りを行います。
こちらは娘さんが継承者となる為、名字が変わってしまうので
両家墓としても使えるように曹洞宗の「南無釈迦牟尼佛」を字彫りします。

 

 

 

これで既存のお墓を無駄にせず新しいお墓として生まれ変わりました。

 

ケース3

この場合は、竿石には「先祖代々之墓」となっていたのですが
上台部分に家名が入っていましたので上台を改造することになりました。
また、家名と同様に家紋も変わりますので水鉢も改造します。

 

 

竿石に比べると上台に浮かし彫りで彫ってありましたので深さがそんなにありませんので
研磨機で磨き下ろし(削り落とし)をします。

 

上台が完了しました。
次に水鉢に移ります。

この後、上台に新しい家名、水鉢に新しい家紋を字彫りします。

 

後は現場に施工して完了です

 

 

いかがでしょうか?
このようにご先祖様が作ったお墓を無駄にはせずに手を加えることで費用的にも抑えて
お墓を改造することができます。

ただ、既存のお墓の石の状態によっては無理な場合もございますので
ご相談下さい。